恋愛はタイミングです改めて

 何かに夢中で仕方ない時に他人から好意を寄せられるのではないだろうか?ぼくは大抵それを後から知るのだが、ぼくに限らず、あるあるなのではないだろうか?

 

 昨日更新したブログにも書いたが、ぼくが好きだった人は、ぼくが好きになるよりもっと前にぼくを好きだったらしい。あまりにも切ない。思い返せば通話中に「好きな人に好かれるなんて奇跡的ですよね」なんて言っていたけれど、その奇跡起きてるやないかい。タイミングずれてたけど。

 

 ぼくのことを好いてくれていた時期ーーつまりは大学3年の春頃になる。途中からほとんどぼく目当てで部活に来ていたと言うのだから恥ずかしい。じゃあ当の本人はそんな!可愛い子が!切ない恋心を燻らせている時に!何をしていたのか!と思うのだが、こちらも他人の深層心理まで見通すほどの余裕はなかった。

 まず部活が恐ろしいほど楽しくて充実していた。以前書いた10万字のエッセイに詳しく書いたが、新入生を入れるにあたって「女子部員の確保を!」と燃えていたし、害悪な(笑)先輩たちもさよならしていたので、とにかくチーム一体となって頑張っていた感じだ。恋愛方面でいうと、ほぼ終わりかけの関係性がめちゃくちゃな彼女がいた。彼女は2月頃に別れるか、別れないか、という話まで迫っていたが、結局ぼくは別れない選択肢をとった。もしここで、別れる選択肢を取っていたらーーいや、考えまい。ワンチャン4月から奥ゆかしい恋心にちゃんと気づけてお互いの好きを高め合いながら、本物の青春を掴みに行ったことなんて、ただのタラレバである。考えまい、考えまい。とにもかくにも、彼女との不安定な関係性に頭を悩ませつつ、部活の楽しさに逃避するような生活だったわけで。まさか新入部員の女の子から好かれているなんて夢にも思わなかった。ちなみにとても有難い話なのだが、ぼくは何度か女性に好意を寄せてもらったことがある。そのほとんどを気づかずに後で知る。

 人間は、何かに夢中な人に惹かれやすいのかも。ぼくもやっぱり頑張っている人は魅力的に映る。これを読んでいる諸君、モテたいのなら何かに夢中になれば割とモテるかもしれないぞ。ただ簡単に夢中になれるものなんて見つからない。あー、そんなのどうでもいい、考えれば考えるほどなぜあの時点で好意に気づかないんだ、気づいても意味ないか……なんて切ない。むしろ気づいていたら後々好きになっていないかもしれない。誰にも分からないな。

 好きになってくれたきっかけも一応聞いた。その日のことはよく覚えてる。帰りの電車の方面が同じだったことを知って、一緒に帰ったのだ。最初は吊り革を持って立っていたけれど、ふたり分の席が空いたので素早く確保。これが3年間で培ってきた席取りゲームの成果じゃよ。さぁ、ついてきているよな?座りたまえと隣を見るといない。なんと吊り革を持ったまま立っているではないか。うーん、どうしたものかと一瞬悩んだが、

 ーー隣座らないの?

 とLINEを送ってみた。

 ーー隣に座っても良いんですか?笑

 と来たけれど、多分あんまり男性の横に座りたくないんだろうな、ちょっとつら……と思いながらも「全然いいよ!」と返事。今思えばただ男性慣れしていないだけなのだけど、当時は座りたくなかったんだろうなーなんて考えていた。まあそれでも楽しく会話したら次も座ってくれるだろう、と安直な考えで会話を続けた記憶はある。一方で相手はそれがきっかけで気になり始めたという。恋の始まりは分からない。認めてもらえてる!という嬉しさに近かったのかもしれない。彼女は陰キャって感じではないのだが、わりかし控えめで(男性に)人見知りはするタイプだから、積極的に来てくれる人は嬉しいのだろう。気持ちは分からんでもない。彼女は自分の恋心を自覚しつつ「え?はやくね?」という困惑があったという。部活の先輩だからかっこよく見えているのかも、と周りを見渡してみたが、ぼく以外は特に何も感じなかったらしい。君を好きだった時期のぼくに言ってあげてくれ。今でも喜ぶが、喜び度合いが違うだろう。ドン引くくらいに。引かれたら意味ないか。

 春だからか知らんが、最近妙にモテ期だったりする。人生でモテ期は2回だか3回だか訪れるらしい。そういえば大学生はモテなかったなぁとも思ったが、今思い返せば多分そんなことない。高校は実は全然モテなかった(はず)。中学生くらいにも一回モテ期があったので、多分もう最後のモテ期だろう。これを逃せば次はない。しかし今!好きな人はいない!ダメだこりゃ。出会いはあるようなないような、ないような、ないような。でもなんだか妙にモテるのだ。あんまり関係性が濃くない人からモテるので、気持ちには全く応えられないけど。

 好きだった子がぼくに遠慮するきっかけになったのは、付き合っていた子がいたのもあるが、もう一人部員で仲の良い女の子がいたのも要因らしい。確かに仲良かった。スーパーウルトラ仲良かった。側から見れば付き合っているようにしか見えない、はたまた肉体関係だけの歪な感じなのか、と誤解一歩手前の認識をされそうになるほどだった。どちらも一切ない。その子はぼく以外とはほぼ喋らないので、まあ誤解するのも仕方ない。友達とこの子について考察していたが、「とても自惚れるならこの子がぼくのことを好いていた時期があったのかも?」と言うと「あったやろ」と言われた。うーん、まあ、あったかも。あったかもなぁ。Twitterではよく「あざといちゃん」という名前で彼女とのエピソードを呟いていたけれど、本当に面白い子だった。でもぼく的には付き合うとかはなかったな、どうしても。

 こうやって過去の恋愛を振り返るいい時期なのかもしれない。3月は別れの季節だ。そして出会いの季節がやってくる。例年通り、冬は病んでいたが、なんだか気持ちが上昇してきている。暖かくなってきたからだろう。甘やかな過去の記憶に元気を貰いながら、生活を送る。そして謎のモテ期を逃さない!と言いつつ、恋愛が出来ていない。はぁ、そろそろ恋愛がしたい。恋愛は辛く苦しくそしてとても楽しい。思い返しても楽しい。今みたいに数年後に元気を分けてもらえるかもしれない。恋愛がしたい。夢中になることは小説じゃなくて、恋愛でもいいもの。まあ小説もやる気あるんだけど笑